院内集会「マンション共用部分の100%補修を実現する法改正を目指して」

令和6年12月12日、衆議院議員会館において、全国欠陥住宅被害連絡協議会主催の院内集会「マンション共用部分の100%補修を実現する法制改正を目指して」が開催されました。

マンション共用部分に欠陥があった場合に、補修のための費用に相当する損害賠償請求権を有するのは誰か?

多くの方は、当然に現在そのマンションに居住している区分所有者が請求権を有しており、管理組合の総会決議によって理事長がその請求権を一元行使して、賠償金を得て、実際の補修を行うと考えている思われ、実務もそのとおり動いていました。

しかし、中古売買でマンションを取得した人は、請求権を持っておらず、中古売買の売主(昔このマンションを所有していていまはマンションに住んでいない人)がそのまま持っているとして、請求権を持っていない人が加わった総会決議は無効だとして、理事長が提起した訴訟を却下した判決があらわれました。

この判決は極めて非常識な結論で、マンション管理実務にも衝撃を与え、そのため、現在、区分所有法の改正が検討されいますが、その改正内容は、【中古売買でマンションを取得した人は、請求権を持っておらず、中古売買の売主(昔このマンションを所有していていまは済んでいない人)がそのまま持っている】ということを前提に、理事長がその人の請求権についても一緒に訴訟が起こせるとするもので、根本的な解決にはならない内容となっています。

理事長による訴訟が可能になっても、その昔住んでいた人から、「自分の分を渡して」と言われると渡さざるを得ず、その場合、管理組合に補修費用全額が残らないことになり、補修が難しくなってしまいます。

そのため、全国欠陥住宅被害全国連絡協議会は、法制審議会の改正案に大きな危機感を抱いており、院内集会を開催しました。

私も、司会を務めさせていただきました。

多くの方の関心があるテーマで、全国の弁護士、建築士、マンション管理組合の運営に携わる方など多く参加いただき、また、5名の国会議員の方、6名の議員秘書の方も来られて熱心に議論に耳を傾けていただきました。

また、この問題は、テレビドラマ化もされた漫画「正直不動産」(ビッグコミック・小学館)にも取り上げられ、院内集会には、原案者の夏原武氏もご来場され挨拶いただきました。

法制審議会で改正要綱案が決議され、この内容で改正案が国会に上程されるため、極めて厳しい状況かとは思いますが、よりよい改正に向けて今後も活動を継続していきたいと思います。

院内集会が無事終わり、議員会館からでて見上げた国会議事堂は、月がかかってともて綺麗でした

院内集会の模様はYouTubeで配信しております。

ご関心のある方は是非ご覧ください。