第71回「日本伝統工芸展」へ行ってきました。

第71回日本伝統工芸展が広島県立美術館で開催されていました。

伝統工芸品に造詣が深いわけでは全くないのですが、漆を習われているお世話になっている建築士の方から特別鑑賞券をいただいており、昨日が最終日だったので、(全く分からないし、どうしようかな…)と思っていたのですが、思い切って行ってきました。

とても広い会場で、染織・漆芸・陶芸・木竹工・金工・人形と様々な伝統工芸品が200点以上展示されていました。

自分の表現力の乏しさが恥ずかしくなりますが、どの作品もみんな素晴らしく美しく…、最初は、(券をもらったので)という感じで来訪させていただいたのですが、作者の長い時間の労力や作品のメッセージが一品一品から伝わってきて、都会の喧騒を離れた異空間にいるような不思議な感覚で回りました。

また、最初は一人で行こうかな…と思っていたのですが、友人が一緒に行ってくれることとなり、二人で一品一品、感想をお互いに言いながらじっくりと回ったので、、気がついたら閉館時間で最後の観覧者になるという、、、不思議な時間の流れでした。

勿論、話の内容は、なぜ、「この作品はこのタイトルなのか?!」のお互いの推理披露や染織で「友禅ってなんでしたっけ?」「青色に染める染色法でしったけ…?」「この友禅は白いですね…」(※調べたところ、正解は、布地に模様を染める染色法とのことでした。惜しい!)とか、金工で「象眼って書いてますね。あのあたりが象の目に見えるんでしょうね」「いや…象嵌ですよ…。」「あっ本当だ…。象嵌ってなに…」「象嵌ってかいてある作品は形をはめ込んでるのでそれが象嵌じゃないですかね…」「確かに!」(※調べたところ、地となる素材に異質な素材をはめ込んで模様をあらわすことのようです。大正解!)とか、陶器で「茶碗サイズだったら欲しいですね」「刺身の盛り付があいますよね」などなど、素人の好き勝手な感想ばかりだったのですが……、とても楽しく鑑賞できました。芸術の楽しみ方は色々ありますよね!

本当に、作品やその時間の空気感に癒された時間で、(美術館っていいな…)とこの年になって新たな発見でした!券をくれた建築士の方やお付き合いいただいた友人に感謝です。

写真は、建築士の方が習っていらっしゃる漆器の先生の金城一国斎先生の作品の「切金螺鈿箱「萩小径」」です。

撮影可だったので、色々な角度から撮影させていただきました。萩という花はおしとやな印象をもっており、また、田舎の小径を確かに思い出します…。そして、その印象のままでありながら、とてもきらびやかで。凄さに、ため息ばかりがでました。